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4月21日、長田マダンが開かれた。
長田マダンは、今年で7回になる、長田の在日韓国・朝鮮の人々が中心になって開かれるお祭りだ。今年は、蓮池小学校で行われた。
マダンとは韓国・朝鮮語で広場のこと。校庭の真ん中の、まさに広場で韓国・朝鮮の踊りやシルム(韓国の相撲)などが行われる。私とつれあいは、校庭の周囲に開かれた店で、チヂミ(お好み焼きに似たもの)とキムチでビールを飲んでいた。(^^;)
この写真は、プンムル(農楽)。農村生活と密着して、農耕儀礼のときに農村娯楽の中心として行われてきたとのこと。
にぎやかで、明るい。
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「きせかえコーナ」のチマチョゴリ。チマチョゴリを着て記念撮影ができるのだ。うっ。私が女性なら...。
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今回、プログラムをもらうと、ウリエソウォンという歌がその中にあった。
ウリエソウォンは、ゆっくりとしたワルツのリズムに、静かに流れるようなメロディが、しかし力強く進む大曲である。
ウリエソウォン ヌン トンイル、われらの願いは統一、と歌うこの曲は、私が覚えたくて覚えたくて、そらで歌えるようになった最初の韓国・朝鮮の歌だ。
それまで、マダンでちゃんとプログラムをもらったりしなかったから知らなかったのだけど、これまでもこの曲を歌っていたのだろうか?
かつて韓国では、この曲を歌っただけで、監獄につながれた人もいると聞いたことがある。統一を口にすることは、北との融和を図るスパイ的行為とみなされたのだ。韓国と朝鮮、二つの地域は、ついこの間緊張が高まったように、現在「休戦中」なだけで、あくまで本質は戦争中なのだ。現在でも統一という言葉はとても微妙な言葉だと思っていた。
だから、長田で、この曲を歌えるとは思っていなかった。
誤解をまねきやすいので、私は、これまであまり書かないできたのだけど、
在日の方には怒られるかもしれないが、いつもうらやましく思っていた。誇れる祖国、文化を持てることに。韓国・朝鮮の人々が、侵略にも分断にも失わなかったものを、この国は自ら壊してきたんだと思う。
ウリエソウォン。この曲を歌ってもいいものかどうか、4年ほど前にこの曲を覚えたとき、ずいぶん悩んだものだった。彼らを苦しめる分断に関わっていたのも日本だし、彼らが望む統一を日本は、阻むこそすれ、助けることがないように私には思えるからだ。
おそらく、私が歌うことを快く思わない韓国・朝鮮の人もいるだろう。それは、だって、やはり、いる。でも、私はやはり歌うことにしたんだ。そこから、たぶん、始まっていくから。
だから、長田でウリエソウォンが歌えたのは、うれしかった。
来年もいっしょに歌いたい。
私の願いも、統一だ。