長田は沈丁花の花の香りでいっぱいだ。

以前、JR長田駅の南側にある仮設店舗街パラールに味噌屋さんが開店したことを書いた。どうして、特別にその味噌屋さんのことを書いたかというと、毎年、私たちは、そこで麹(こうじ)を買って、味噌を作っていたのだ。もう、5年以上味噌を作り続けてきた。
その味噌を友人にあげたりすると、そこのおじいさんが、私の味噌で作った味噌汁を一口飲んで、「おっ、どうしたんだ、この味噌は!」というほどのデキだったのだ。(へへっ、手前味噌ですいません(^o^))
ところが昨年は、さていよいよ味噌を作る季節かな、という時に地震があったので、とうてい作ることはできなかった。だから秋には味噌の切れてしまって、いよいよ今年こそは作らなきゃ、と思っていたのだ。
その味噌屋さんに麹を注文にいった。が、店の夫婦は、「麹菌がないんです。」という。「麹菌が焼けてしまってないんです。」という。
それ以上は聞けなかったが、その味噌屋さんで代々育んできた麹菌は、大正筋の町並みと共に焼けてしまったのだ。おそらく、店が焼けたことと同じくらい、あの味噌屋さんにとっては麹菌が焼けたことは、重大なことだったのではないか。
味噌は麹で決まる。
私は、自分で味噌を作ったと思ってきたが、実はあの味噌屋さんの麹のおかげで、味噌を作らせてもらってきただけなのかも知れない。
私の作った味噌だ、と自慢してきた私は、なんと傲慢だったのだろう。
今年も、私は味噌を作れない。